ママチャリで走る経営者の日常―オトバンク会長・上田渉ブログ

聞き入る文化を広めるオトバンク会長の上田渉のブログです。神保町界隈をママチャリで駆け抜ける姿を見かけたら、それは私かもしれません。

視覚障害者にも本の情報が届く社会を目指して

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先週から、視覚障害者専用ラジオ放送・JBS日本福祉放送さんへ、弊社の書籍情報番組「新刊ラジオ」の提供を開始しました。

弊社は2004年から10年にわたり、誰もが気軽にオーディオブックを利用できる社会の実現を目指して、オーディオブックの制作・配信に取り組んでまいりました。こうした活動の積み重ねによりJBS日本福祉放送様とのご縁をいただき、視覚障害者は本の情報を得る機会がない」というご相談を受け、新刊書籍の情報を約20分のラジオ形式でお届けする「新刊ラジオ」の音源提供を決めました。今後はオーディオブックの提供等も進めていければと考えています。

現在、視覚障害者の方が本に触れる手段としては、厚生労働省の補助事業として視覚障害者向けに点字・DAYSY図書を提供する「サピエ」があります。ここでも音訳された書籍を聴くことができるのですが、実際に音訳図書を利用されている方にオーディオブックを聴いていただくと、“イメージが変わった”というお声をいただくことがよくあるのです。どういうことかと聞いてみると、「音訳はボランティアで成り立っているためクオリティに開きがあり、かつ読みが淡々と進むので単調。オーディオブックは表現が加わっているので楽しく聴ける」、とのこと。

弊社では、どなたが聴いても楽しめるよう、コンテンツの質にもこだわってオーディオブックを制作してまいりました。こうして作ったオーディオブックを、視覚障害をお持ちの方にも、そうでない方にもお楽しみいただくことが、読書における究極のバリアフリーの実現だと思っています。

今回、弊社の音声コンテンツを視覚障害者専用のラジオ放送に載せさせていただくことで、本に触れる機会のなかった方にも本の情報をお届けすることが可能になりました。

本には、著者の方・編集者の方が込めた偉大な力があります。そう思えるような本に触れていただき、楽しさを発見してもらう。これを、音声コンテンツ事業を通して実現させたいと考えています。

私事ではありますが、会社を興すきっかけをくれた、緑内障失明していた私の亡き祖父も、今回の取り組みの開始の報告を誰よりも喜んでいると信じて、これからも突き進んでいきたいと思います。


オーディオブック配信サービス - FeBe(フィービー)